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EU産馬鈴しょでん粉 あれこれ ②
具体的に国産馬鈴薯でん粉とEU産馬鈴薯でん粉のスペックには、どのような違いがあるのでしょうか。科学的な物性データや、最終製品に与える影響について、客観的な視点から徹底比較します。
粘度特性(最高粘度や保水性)の比較:遜色ない品質の証明
でん粉の性能を評価する上で最も重要な指標の一つが、水に分散させて加熱した際の粘度変化を示す「糊化特性(アミログラフィ特性)」です。
馬鈴薯でん粉は、でん粉分子(アミロペクチン)に結合している「リン(リン酸基)」の含有量が、他のでん粉よりも圧倒的に多いという特徴を持っています。このリン酸基がマイナスの電荷を持つため、水中で分子同士が互いに反発し合い、大量の水を吸い込んで急激に膨潤(大きく膨らむ)します。これが、馬鈴薯でん粉特有の「低い糊化温度」と「爆発的な最高粘度」を生み出すメカニズムです。
EU産の未加工(ネイティブ)馬鈴薯でん粉も、国産馬鈴薯でん粉と全く同様に、高いリン含有量を誇ります。一般的な物性比較において、加熱時の最高粘度や、水分をしっかりと保持して離水を防ぐ「保水力」のスペックは、国産製品と比較しても遜色がありません。実際に、でん粉の専門卸である弊社が取り扱うEU産未加工でん粉(デンマーク、ポーランド等産)においても、食品素材として国産製品からの容易な置換えが可能であることが、現場の運用実績から証明されています。
風味・透明度・食感への影響:食品のクオリティを落とさない理由
食品の美味しさを左右する視覚的・味覚的要素においても、EU産馬鈴薯でん粉は非常に高いパフォーマンスを発揮します。
馬鈴薯でん粉は、トウモロコシ等由来のでん粉と比較してタンパク質や脂質などの不純物的なものの含有量が極めて低いため、加熱して糊化させた液(糊液)が濁らず、クリアな透明感を保ちます。この特性は、EU産であっても完全に共通しています。そのため、「あんかけの透明なツヤを保ちたい」「和菓子のデリケートな風味を損ないたくない」といった、日本の食品市場
が求める極めて高いクオリティ基準を、EU産馬鈴薯でん粉は十分にクリアすることができるのです。